映画館で耳をすませばを見ました

シアタス調布で耳をすませばが9日間限定で、しかもOn your markと同時公開ということで、電車で片道約2時間ですが、行ってきました。

 

ジブリ作品を映画館で見れる機会がまず貴重なので、それだけで行きたくはありましたが、ひとつ大きな問題があって、私は耳をすませばを鬱映画だと思ってるんですね。だから映画館でみたら気絶してしまわないかということでかなり葛藤があって、即決で行く!とはならなかったんですけど、知り合いを誘う事で何とかいけることになりました。あとからこんな鬱映画を誰かと見ていいわけないだろ!?と正気に返り前日まで憂鬱だったんですけどね。

 

結果としては鬱!死ぬ!ということは無かったけど、心臓に悪いので機会があっても行くことはないかもしれないですね。

何故鬱映画だと思っているのかということなんですけども、簡単に言えば青春コンプレックスですね。ジブリの教科書にも、何気ないことがいちばん有り難いんだということを描こうとしたとありますが本当にその通りで、全てがリアルで生々しいんですよね。例えば通学路も、横断歩道でもなんでもないところを渡って、小道のような所を登っていくんですけど、そのシーンを描くに当たっての真偽は置いといて、私の地元では高学年だけ知ってる(使っていい)近道とかあったなーってひとつのポイントから過去の学生生活のことがポンポン連想されるんですよね。雫の悩みもとてもわかる、けれど雫のように路線変更して真っ当な道を歩いた訳ではなく、気付いているのに放置してしまった人間なので刺さりまくるんです。そういう意味では私は本当に子供で、だから同じく子供の雫の刹那的に露見する激情がよく分かるというか。大きな違いと言えば私は月島雫ではなく、天沢聖司も居ないということですね(鬱ポイント)

あと、いちばん辛いのは「明日」の存在を明確にしていることでしょうね。特に辛かったのはエンドロールで、画面上には時間とともに様々な道行く人が描かれ、本当になんて事のない毎日なのです。その中で微かな変化があり、それが連なっていくこと、それこそが明日の概念というか。その存在を迎えたくない私にとってそれはとても残酷なことなのです。鈴村と雫の親友(名前忘れちゃいました)が一緒に待ち合わせしているシーンなど見たい気持ちはあったのに、本当に目線を上に持っていくのが辛くて、ただ流れてく名前を見てました。

今帰りの電車でこれ書いてるんですけど、構成がめちゃくちゃだ……とりあえず覚えてる映画の感想ポンポコ書きますね。

シアタス調布というところで再上映してたんですけど、耳をすませばのロケ地が多摩で本当に近くなんですよね。行きに調布乗り過ごしてしまったせいでおそらく多摩川であろうものが見えたのと、京王線に乗ったのですが劇中にも出てきたり、他にも見覚えのある建物が出てくるので、だいぶ親近感が湧きました。だからシアタス調布でやったんでしょうね。気づきませんでした。

あとこれは意外な感覚なんですけど、映画館で見た方が没入感が低い映画でした。金曜ロードショーでやるとき毎回見ているのですが、テレビにかじりつくように見ているんですね。こちらから世界に入ろうと必死なので、細かいところにめが向かないんですかね。世界観だけでいえばテレビの方がいいのかなと思います。

バカデカスクリーンで見ると、ハイライトや影の指示線って言うんですか?がはっきり見えるんですよね。まずそれに感動しました。

没入感が低いと思う理由もそこで、ほんとに細かいところを見てしまうんですよね。一つ一つの動作がとても大きく見えるので、そこをまず気にしてしまうというか。

日本人の皆さんならあの生々しさはわざわざ言葉にしなくても分かると思うんですけど、そのリンクと一緒に私はこれとは違う…という気分になってくるんですね。私は中学生が本当に人生のピークで、だからこそ普通に生活している雫達を見ているだけで眩しく感じるし、彼等はこれからもなんてことない毎日(つまり1番尊く美しい日々)を送るわけでしょうが、私だって当時はそう思っていました。ですが今このザマなので本当に苦しいわけです。私はこうはならない……という1種の自己防衛が発動して、映画の世界を拒絶してしまうんですね。どこからかな、雫が小説を書き始めたシーン当たりから早く終われコールをしていました。

あと関係ないんですけど、私は天沢聖司ストーカー説が大好きでそこは微笑ましかったです。私に天沢聖司はいないけど。

彼が雫のどこを好きになったかはぼかされていますが、決して雫の理解のある彼くんなんかでは無いので、何らかしらのきっかけはあると思います。劇中では雫が天沢聖司に触発されてという話でしたが、逆もあったでしょうし、だからこそ雫は自転車を一緒に押すし、本当の意味でお互いに理解のある関係になったんでしょうね。それが中学生でいうと、結婚しよう!なんだと。

 

あとはー……お姉ちゃんの存在とかね。傍から見ると正論だけどイライラするのとかわかりますね。

私は雫が鉱脈でバロンに本物を探せ!と言われて本物の宝石を探すシーンが好きなんですが、あれは自分が輝くものだと思っていた才能🟰宝石が鳥の死骸(ゴミ)だったという事ですよね。Dead or Aliveというか、両極端で情緒不安定な感じ心当たりしかないですよね。私には理解のある両親も素敵な骨董屋もパートナーの天沢聖司もいませんでしたが。でもそれに変えられるものが皆あるということですよね。ここまでドラマティックなものではなくても、一人一人持っていて、だからこんなに心に来るんですよね。

 

私が月島雫になれなかったのは上記の人達がいなかったせいではなくて、確実に私のせいで、雫父の普通じゃない生きかたをするのはとても辛いことなんだという言葉が刺さりますよね。

私のなんてことない日々もまだまだ続くので、後から慈しみをもてたらいいなと思います。おもうだけですが。

 

その他

 

On your mark

大した事前情報無し(ジブリの教科書のみ)でみたらほんとうにわからなかったですね。ループ?するのはどういう意味だと思う?と同行人に聞きました。聞いただけですが。

物販に並んでいたら後ろのネキ達が考察をしていたのでヒヤヒヤしました。まだ私だけの解釈をたのしみたいです。

 

あと、入退場するところに、鈴木敏夫のメッセージみたいなものがあったんですが(↓これ)

f:id:arakawadayooo:20230215232551j:image

それに宮崎駿のメッセージみようぜ!って言った人にあれ鈴木敏夫だし。鈴木敏夫も知らないのに見にくるとか…と言いかけて(本当に言った)俺可愛くねーー!!!!!となりました。

 

 

 

家に着いたので、終わりです。